リード
M4、M3、M2 — 3世代が並ぶ現在、どう違うのか。数字と設計思想の両面から解説する。
この記事で学べること
- M2/M3/M4 の主要スペック差
- Geekbench・Cinebench での実際のスコア比較
- 世代ごとの設計の変化点
- 「どの世代を選ぶべきか」の指針
基本スペック比較表
| 項目 | M2 | M3 | M4 |
|---|---|---|---|
| プロセスノード | TSMC N5P(5nm) | TSMC N3B(3nm 第1世代) | TSMC N3E(3nm 第2世代) |
| トランジスタ数 | 200億 | 250億 | 280億 |
| CPUコア(base) | 8(4P+4E) | 8(4P+4E) | 10(4P+6E) |
| GPUコア(base) | 8 | 10 | 10 |
| Neural Engine | 15.8 TOPS | 18 TOPS | 38 TOPS |
| 最大統合メモリ | 24GB | 24GB | 32GB |
| メモリ帯域幅 | 100 GB/s | 100 GB/s | 120 GB/s |
🟢 一言で言うと
M2 → M3: 5nmから3nmへの工程微細化がもたらした効率改善。性能より省電力性が際立つ。
M3 → M4: Neural Engineが約2倍に強化。Apple IntelligenceのためのAI特化進化。CPU・GPUの伸びは控えめ。
M2 → M4: CPU性能で約30〜40%、Neural Engineは約2.4倍の向上。2世代分の積み上げは確実に大きい。
🔵 ベンチマーク詳細
Geekbench 6(シングルコア / マルチコア)
| チップ | Single | Multi |
|---|---|---|
| M2 | 2,600 | 10,000 |
| M3 | 3,000 | 12,000 |
| M4 | 3,800 | 15,200 |
シングルコア性能はM4でM2比 +46% に達する。
Cinebench 2024(マルチコア)
| チップ | スコア |
|---|---|
| M2 | ~600 |
| M3 | ~700 |
| M4 | ~900 |
*各スコアは搭載製品とTDP設定により変動。数値は代表的な実測の概算。
🔵 GPU: ハードウェアレイトレーシングの追加
M3以降、GPUにハードウェアレイトレーシングが追加された。これは光源の反射・屈折をリアルタイムで計算する技術で、3Dレンダリングやゲームのビジュアルクオリティへの影響が大きい。
M2のGPUにはハードウェアレイトレーシングがないため、この点でM3以降と質的な差がある。
🟣 Neural Engine 進化の技術的背景
M4の38TOPSは、M3の18TOPSから約2.1倍の向上だ。
この飛躍の背景には、Foundation Modelの推論要求がある。M4がターゲットとするオンデバイスLLMは、数十億パラメータの重みを高速にメモリと行き来させる必要がある。Neural Engineの強化はこの「メモリ帯域幅 × 演算スループット」の積を最大化するために行われた。
どの世代を選ぶべきか
| 用途 | 推奨 |
|---|---|
| 一般的なMac作業(文書、Web、動画視聴) | M2で十分 |
| 動画編集、Lightroom現像 | M3以上推奨 |
| Apple Intelligence を最大活用 | M4必須 |
| 3Dレンダリング、ProRes動画編集 | M3 Pro/Max以上 |
| 買い替えタイミングとしての費用対効果 | M2からM4は換える価値あり |
まとめ
M4の本質的な強みはNeural Engineにある。Apple Intelligenceを本格活用するなら選択の余地はない。ただし、一般作業においてはM2もM3も依然として快適に動作する強力なチップだ。